今年公開された洋画の中でも屈指の傑作『ジャンゴ 繋がれざる者』のブルーレイ(&DVD)が8月7日に発売されます。個人的にはタランティーノ監督の最高傑作だと思っており、ぜひパッケージでも手元に置いておきたい作品です。
さて、そのブルーレイに、興味深い特典映像が収録されているのでちょこっとご紹介します。
その映像とは「馬のスタント」です。ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ演じる主人公2人が乗っていた馬車が、馬に乗ったKKK風の集団に取り囲まれるシーンのメイキング。
すでに作品をご覧になった方はご存じだと思いますが、実はこの馬車には2人は乗っておらず、自らこの馬車を爆破! その周りを取り囲んでいた集団の馬たちが一斉に倒れるのです。
この舞台裏が特典映像で明かされていて、馬好きの自分にとっては非常に面白い。何でも、その現場では撮影に35頭が用意され、タランティーノ監督は爆発の際に「7~8頭は倒したい」とスタントチームに要望を出したそう。
スタッフのコメントによれば、7~8頭を倒すためには「15頭を調教しないといけない。そのうち7~8頭が倒れれば良い方」だそうな。大変ですね~1頭調教するのにも四苦八苦するのに、15頭もなんて…。
しかも今回素晴らしかったのは、1頭もケガをさせることなくこの撮影に成功したこと。動物愛護団体に理解を取り付ける念の入れようで、スタッフも「1頭の馬も負傷させずにスタントシーンを撮影に成功したのはこの作品ぐらいでは」と自慢していました。
しかし「どうやって馬を倒してるんかいな?」とよく映像を見てみると、爆発のコンマ数秒前からすでに倒れ始めてるんですね。乗っている人が、馬を発進させる扶助を行うと同時に手綱を「グイッ」と引っ張ることで、馬がウィリー状態になります。そのまま騎手が馬とともにバランスを崩していき、「バタンッ」という流れ。
この作業を、爆発するタイミングにドンピシャで合わせなきゃいけないんだから、乗っている人たちも手練れですね。しかも、馬が倒れたら、騎手は片足が馬の下敷きになります。そうならないように上手く飛び逃げる様子もお見事(何人かは下敷きになっているように見えましたが)。
15頭中7~8頭なら上出来なんて言っていましたが、本番では14頭がしっかり倒れたそうです。う~んみんな偉い!
クリストフ・ヴァルツがアカデミー賞助演男優賞を受賞しましたが、ぜひお馬さんたちの演技にもご注目を。