10月に公開される時代劇映画『蠢動‐しゅんどう‐』の初号試写に昨日出席しました。非常に力作だったのでご紹介したいと思います。
まずここで書いておきたいのは、この作品がとても珍しい形で製作されていること。なんと、大阪の建築資材メーカーの元社長、三上康雄さんが数千万円の製作費を全額負担し、自ら企画・脚本・監督までこなしてしまうという、大作の「自主製作」映画なのです。
今日本映画は、作品の大小に関わらず、出資のリスクを分散させるために製作委員会方式で作られています。そんな中、個人で製作費を捻出し、全国30~50館公開(予定)規模の映画を作ってしまうのですから驚きです。
さらに、これまで映画業界に人脈のなかった三上さんが、一流の俳優・スタッフをずらりと揃えられたことにもビックリ。電話やメールで連絡をとり、その熱意だけで陣容を固めていったそうです。
さて、そんな異色の映画『蠢動‐しゅんどう‐』ですが、内容はど真ん中直球の「正統派時代劇」。享保二十年、山陰のとある藩が舞台。平穏な日々が続いていたものの、あることをキッカケに藩を揺るがす事態に。藩の命令を貫こうとする剣術師範と、正義を全うしようとするその弟子が、互いの正義のために戦うことになります。
前半は会話劇中心の「静」。そして後半は怒涛の走る、斬るの「動」に舵を切ります。音楽はないのですが、迫力の倭太鼓の音が緊迫感と臨場感を煽ります。映像の色、音響、照明、衣装、その全てにこだわりが感じられますし、雪中での殺陣の長回しは迫力がありました。特に、逃げる弟子を追う剣術師範の追跡劇の高揚感は素晴らしいです。とにかく「熱意」を感じる作品でした。
初号試写は大泉にある東映デジタルセンターで行われました。会社がある有楽町からは遠いんです(駅から徒歩も含めて、片道約1時間30分)。「なぜそんな遠いところで…」と思いましたが、映画を実際に観て、最高のスクリーンと音響施設で上映したいという、三上さんの意図がよくわかりました。
試写のあとに三上さんにインタビューをさせてもらいましたが(7月13日付速報で掲載)、「時代劇の好きな大阪のおっちゃん」という感じで(お住まいは兵庫ですが)、話も非常に面白かったです。特に小林正樹監督の『切腹』がお好きだそうで、『蠢動』も『切腹』を意識して作られたようです。冒頭シーンは、『切腹』の冒頭のオマージュになっているので、それにも注目して観てみてください。時代劇映画好きの方は必見!
最後に、今週唯一の重賞・函館記念の予想をちょこっと。メイショウウズシオに期待します。大外に入ってしまったのが難点ですが、前走の巴賞で復調の兆しを見せました。昨年秋にはダノンバラードともいい勝負をした馬。距離延長はもってこいですし、オペラハウス産駒なので重い洋芝も有利なはず。前走はエアソミュールに完敗でしたが、エアが55kg→56.6kgになったのに対し、メイショウは56kg→55kgと逆転。実質2.5kgの変化で、あの差を埋められないかなと思っています。ちょっと勝ち切るのは難しいかなと思いつつ、3着以内の軸馬として挙げてみました。