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続・インド映画が点から線へ、『スタンリー』もヒット (vol.38)

平池記者の「競馬ときどき映画」

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続・インド映画が点から線へ、『スタンリー』もヒット (vol.38)

2013年07月03日

 インド映画『スタンリーのお弁当箱』が先週末より公開され、ヒットスタートを切りました。詳細は後日、本紙「文化通信速報」で掲載しますが、上映するシネスイッチ銀座では今年1番の出足だそうです。

 作品は、ある理由により学校にお弁当箱を持ってくることができないスタンリー少年が主人公の、心温まるヒューマンドラマ。私も観ましたが、日本とは全く異なるお弁当文化を興味深く見ることができ、とても良い映画でした。

 近年、インド映画が「歌えや踊れやのミュージカル&長尺」という従来の法則から外れ、様々な形のエンターテイメントになっていることは、映画好きの方ならもうご存知でしょう。この『スタンリーのお弁当箱』もまさに、新しいインド映画のあり方を示す作品だと思います。

 さて、少し前に当欄で「『きっと、うまくいく』ヒットでインド映画が点から線へ」(6月3日付)という文を書きました。『きっと、うまくいく』は、とうとう興収1億円も突破してしまう大ヒットを続けていますが、これが『スタンリー』にどう繋がるのか、繋がらないのか、注目していました。

 配給会社さんに話を聞くと、初日のある回で調査したところ、なんと3割の人が『きっと、うまくいく』をすでに観ていたそうです。それを聞き、確実にインド映画が「点から線」になっていることを改めて感じました。単発でのヒットではなく、流れの中でヒットが続いたことで、この後のインド映画にも非常に良いバトンを渡せる態勢が整ったと思います。

 この後のインド映画だと、10月に『マッキー(仮題)』」という作品が待機しています。ハエが主人公の面白い映画だそうで、『きっと、うまくいく』や『スタンリー』とはカラーの違う、どちらかと言えば『ロボット』路線の作品ですが、大きな話題になることが予想されます。

 先ごろ行われたカンヌ国際映画祭でも、あるインド映画を日本の会社が買いつけたと聞きました。ここ数か月で、一気に日本映画界がインドに注目し始めたことを強く感じます。

 ブーム、というよりは、アメリカ映画、フランス映画、韓国映画などと同様に、毎年一定の数が輸入されるようになる予感で、とても楽しみな状況になってきました。買い付けの競争率が低かった今までは、傑作ばかりがピックアップされて日本で公開されてきましたが、作品が多くなってくれば「う~ん」という映画も出てくるはず。配給会社さんには、これからもできるだけ良い映画を見つけて日本で公開してくれることを期待しています。


平池アイコン(サイト用).gif平池由典(ひらいけ・よしのり) 映画部記者 兼 サイト事業部所属
 映画・DVDの取材を担当しています。“宇宙人が攻めてくる系”映画が大好物。趣味は競馬と映画鑑賞。当コーナーでは、競馬と映画を中心に自由につぶやいていきますので、良かったらご覧ください。

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