ゴー・シネマ配給「不惑のアダージョ」及び併映作品「大地を叩く女」が26日よりユーロスペースで公開され、初日舞台挨拶が行われた。登壇者は、「不惑のアダージョ」から千葉ペイトン、阿久津克子、一柳光紀、「大地を叩く女」からGRACE、和田聰宏、かわいしのぶ、そして両作品のメガホンをとった井上都紀監督。
(写真は、前列左よりかわいしのぶ、GRACE、一柳光紀、井上都紀監督、後列左より和田聰宏、千葉ペイトン、阿久津克子)
「大地を叩く女」に主演したGRACEはミュージシャンで、沢田研二のバックバンドのドラマーでもある。「一生に一度のことだと思って出演しました。俳優ではない私が小芝居をうっても仕方がないので(笑)、体当たりで演技するしかないなと思いました。撮影の現場は暑かったのですが、反面、御殿場で私、監督、そして撮影監督3人で撮った時は寒く、寒暖の差が激しかったのを覚えています。そして、音楽も担当していまして、その音楽づくりがとても楽しかったです」。
また、主人公にDVをする彼氏役の和田聰宏は「GRACEさんはドラムをやっていらっしゃるため、すごいエネルギーでぶつかってきてくれるんです。そのため、僕は役者としての芝居よりも本能でやったように思います。殴るシーンで、そこまで殴っていないのに、GRACEさんが本気で倒れて、たんこぶを作るほどで・・・。監督が、そんなひどい人に、どんどんさせようとするんです(笑)」と撮影を振り返った。
一方、「不惑のアダージョ」で主人公が出会う3人のうちの1人を演じた千葉ペイトンは、「最初にこの話を頂いた時に“気持ち悪い役なんですけど・・・”と言われたのですが、実は、僕も『大地を叩く女』を拝見しておりまして面白い映画を作る方だと知っていたものですから、監督のお名前を伺った時にすぐに“出演します!”とお答えしました」と、出演を決めた経緯を明かした。
最後に、井上監督は「『不惑のアダージョ』は、修道女そして更年期というある種タブーと言われる題材に挑戦しました。自分が女性であることと、これから年を重ねていくうえでどうしても描きたかった作品です。様々な方の人生や年代によって見え方が変わると思いますが、ぜひ映画をご覧になって、自分のなかで共感して頂ければと思います」と締めくくり、舞台挨拶が終了した。