マコトヤ配給「ふゆの獣」の初日舞台挨拶が2日(土)、東京のテアトル新宿で行われ、キャストの加藤めぐみ、佐藤博行、高木公介、前川桃子、内田伸輝監督が登壇した。(上写真左から)
プロットのみで脚本は無し、スタッフは監督含め3人、キャストは4人(そのうち2人はmixiで募集)と、通常とは異なる製作形態でつくられた本作、舞台挨拶の質疑応答もその辺りを中心に行われた。
内田監督は、「製作費は最初から予定していたわけではないが、結果的に110万円くらいかかってました。自主映画だともっと少ない予算で撮る方もいらっしゃるので、皆さんどうしているのか教えてください。撮影はDVテープを60分間長回しで撮って、修正点を確認し、また60分撮るという方法。基本となるプロットはあるのですが、リハーサルはやらず、細かいところは役者さんたちに即興で演じてもらい、自分も即興で撮りました。役者さんたちにはその役のバックボーンを伝え、役作りをしてもらいました」と撮影の裏話を語り、「この作品をいいと思った方は100人に声をかけてください。面白くないと思った人もレビューなど書いてください」と訴えた。
加藤は、「今回の“ユカコ”という役は“計算できない愛情”を持つ女性。自分が持っていない感情が多く、ギャップを埋めるのに4カ月かけて役作りしました。それでも撮影中は感情が昂り過ぎて我を忘れてしまい、ここがどこだか分からない状態に。こんなのはじめてでした」と告白し、キャストの演技が非常に評価されていることを問われ、「すごく嬉しいです。賞を受賞したことや公開できたことは、無名の私たちにとって励みになります。これからも応援よろしくお願いします」とアピール。
佐藤はロッテルダム国際映画祭に出品された時のことを聞かれ、「コンペティション部門で唯一の日本の作品で、4回上映され全てソールドアウトでした。街を歩いていると後ろから『ヘイ、バッドボーイ!』と声をかけられ、最初はカツアゲかと思ったのですが(笑)、この作品のファンの方でした。最終的に20人くらいの人に声をかけられました」とエピソードを披露した。
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