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ポノック新作『~ラジャー』会見に西村Pと百瀬監督

【FREE】ポノック新作『~ラジャー』会見に西村Pと百瀬監督

2023年08月22日
『屋根裏のラジャー』製作報告会見開催 『屋根裏のラジャー』製作報告会見開催

 東宝配給、スタジオポノック最新作『屋根裏のラジャー』の製作報告会見が21日、帝国ホテルで開催され、百瀬義行監督、西村義明プロデューサー、声優を務めた寺田心、安藤サクラ、イッセー尾形が登壇した。

 第1作の長編映画『メアリと魔女の花』(17年)が興収32億9千万円と国内の新設スタジオとしては異例の大ヒットとなり、世界150以上の国と地域で公開されたスタジオポノックの長編第2作。原作は英国の詩人・作家のA.F.ハロルドによる「The Imaginary」(「ぼくが消えないうちに」こだまともこ訳・ポプラ社刊)。愛をなくした少女の、想像の友だち「ラジャー」の冒険を描く。

 同作を企画した西村プロデューサーは「人間が想像した友達が主人公の映画。この映画を聞いた人は、子どもの想像力は豊かだよね、無限だよね、ということを言うために作るんでしょ?と(思うだろうが)、そうじゃない。僕たちは(想像の友達)ラジャーの人生に想いを馳せた。想像された少年は、自分で生まれたくて生まれたわけじゃない。何を思っているのか、どんなことを経験しているのか、最後に人間に忘れられるとどうなるのか。それを思った時に、人間も同じだと思った。人間に忘れられる主人公。これを映画にできないか。それは本当に悲劇なのか、そうじゃない物語があるはず、それが悲劇だとしたら人間の人生そのものが悲劇だと思った。その時に、イマジナリーフレンドという物語を別の角度から扱えるのではないかと思った」と同作の映画化を決意した理由を語った。当初は昨年夏に公開予定だったが、1年以上延期となった経緯については、新たな表現に挑戦するため、フランスのアニメ技術を取り入れたことなどが原因と説明した。

 百瀬監督は、会見の前週にゼロ号試写を行ったことを報告し、「スタッフが見るのはこれが初めてだったが、彼らからの反応に手ごたえを感じた。すごく心強くてホッとした」と胸をなでおろし、西村プロデューサーが明かしたフランス発の新技術について「キャラクターの見た目を従来のものとは違うテイストのものにした。その工程を挟むこともありスケジュールを延ばしてもらった。より洗練された形で絵作りが出来たし、表現として深堀りできている手ごたえを感じている」と、挑戦的な作品であることを窺わせた。

 記者席からは百瀬監督や西村プロデューサーがかつて在籍していたスタジオジブリに関する質問も挙がり、西村プロデューサーは「 “宣伝しない宣伝” というものがあったが、これはなかなか出来ない(苦笑)。なので1文字変えて “宣伝したい宣伝” を決めた。たぶん早めに完成するので、先にマスコミの皆さんに見て頂きたい。この映画を見たら、たぶん多くの人に『この映画は見た方がいいよ』と言ってくれる作品になる気がしている。人に宣伝したくなる作品。そんなことができたらいいなと思う」と作品の仕上がりに自信を覗かせた。公開は12月15日(金)。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。