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六本木に演劇の新劇場、こけら落とし公演も

【FREE】六本木に演劇の新劇場、こけら落とし公演も

2018年05月25日

 主に演劇、コンサート、ライブ、舞踏を上演できる、200人キャパの劇場が六本木にオープンした。劇場名は「六本木トリコロールシアター」。オーナーは、吉本興業所属の文化人タレントで女優の白樹栞。白樹プロデュースのこけら落とし公演「八人の女優による連続リーディング フランソワーズ・サガン 愛のゆくえ」が6月9~27日上演される。5月24日に同所で記者発表会が行われ、出演(日替わり・一人芝居)の草笛光子、木の実ナナ、麻実れい、剣幸、浅田美代子、中嶋朋子、寺島しのぶ、演出の鵜山仁(日本演出者協会理事)、白樹が登壇した。

 劇場オープンに際して、白樹は思い入れを口にするうちに堪え切れず、感涙を流した。「大小様々な劇場が消えていく中、規模は小さくても人々の心に刻まれ、演劇人の拠点となる劇場を作りたいと、そんな夢を鵜山さんにご相談し、実現することができた」「まだ予算が足りないが、もう少し予算が集まれば、同時通訳の設備も入れて国際的なこの六本木の地で、色んな方々が自国の言語で演劇に触れることができる国際的劇場にしたい」「私が死んだ後も、日本のブロードウェイはあそこが最初の拠点だったと言われる劇場になっていけば」「日本を代表する演劇人の鵜山さん、日本を代表する8人の女優さんによるこけら落としは、死んでも本望」と語った。

 鵜山は、「サガンの小説には、人生の表情が変わる瞬間が書かれている。別れようと思っていた人と一緒になったり、大金が手に入ったものの人に返しちゃったりとか。死という前提がないと生き甲斐はなく、暗闇がないと光はなく…。つまり、人生のコントラスト。掛ける8人(の女優)と言うと失礼かもしれないが、全体としてリッチな企画で、色んな女性の表情をこの親密な空間でお届けする」とコメント。

 草笛は「私は、これまでに宝塚帝劇、芸術座、コマ劇場のこけら落としをやってきた。ここの床はまだちゃんとしてない。けどこの小ささが小粒でピリリな劇場。先日、NYのブロードウェイの劇場に行ってきた。床には、傷がたくさん付いていた。あぁ、これは、今までにここに立った人の涙と汗が染みこんでいると。この劇場も、そのうち舞台に傷がついて、涙と汗が染み、素晴らしい劇場になっていきますように」と賛辞を贈った。

 

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。