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吉本興業、島田紳助VS 講談社

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吉本興業、島田紳助VS 講談社

2011年12月14日

 吉本興業・島田紳助連合と講談社の対立が激化している。

 ついに第3ラウンドに入った。しかも、これまで2回に亘って繰り返されてきた訴訟は「講談社」と「週刊現代」だったが、今回は「講談社」と「フライデー」の対立軸となった。

 当初は「和解」という道もあったのかもしれないが、「週刊現代」「フライデー」側は「徹底的に(事件を)追求していく」「(裁判も)争っていく」という姿勢を崩さないでいただけに、もはや泥沼化と言った方が適切なのかもしれない。

 この訴訟、吉本興業と同社のグループ「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」の元タレントだった島田紳助が、講談社が発行する「週刊現代」と「フライデー」によって著しく名誉を毀損されたというのがキッカケ。12月12日には「講談社」と「フライデー」に対して損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。

 訴訟対象となっている記事は、まず、9月2日発行号で掲載された「島田紳助(暴)との密接メール大量流出で崖っぷち!」「追及第2弾!『警察が注目する不動産トラブル』」(原告:島田紳助)。さらに9月15日と22日発行号に掲載された紳助のプライベート写真10点(原告:島田紳助)。そして、9月22日発行号の「スクープ! 警視庁に『極秘捜査本部』が設置された」「島田紳助スキャンダル新展開!」(原告:吉本興業、及び島田紳助)。賠償請求は合わせて1億5400万円である。

 吉本興業の説明によれば、まず、「島田紳助(暴)との密接メール大量流出で崖っぷち!」「追及第2弾!『警察が注目する不動産トラブル』」は、紳助が、暴力団を使って、または暴力団から資金提供を受けて、大阪・心斎橋の不動産を取得し、事業を行っているとか、暴力団幹部が経営する不動産会社を使って地上げを行い、その謝礼として10億円を支払ったなどの事実を提示しているが「そのような事実はない」というのが紳助側の主張。

 一方、掲載された「プライベート写真10点」については、紳助が当時滞在していた沖縄のマンションのベランダ及び室内の様子を撮影して「紳助のプライバシーを侵害した」としている。各写真については、マンションの位置、周囲の地形、写真のアングルなどから検証したら「肉眼では到底視認出来ない遠方から高性能の望遠レンズを使ってベランダや室内を覗き見るように撮影したもの」とし「その取材方法は悪質極まりない」と主張している。

 いずれにしても冒頭で記したように今後、両者は裁判で「徹底的に争っていく」としているが、それにしても、講談社と、同社発行の週刊誌に関しては執拗だ。当時は、他の週刊誌も大々的な特集を組んでいた。もっとも、そういった中でも「週刊現代」や「フライデー」が、取材や掲載に関して他誌より一歩リードしていた感は否めないが、いずれにしても、一点集中で見せしめ的な要素も感じられなくはない。

 それにしても、吉本興業と紳助の「講談社」と「週刊現代」に対しての訴訟は、第1回目が10月24日に「週刊現代」(10月15日号の記事が名誉毀損に当たるとして計1億6500万円の損害賠償を求め提訴)。そして、11月16日には、やはり「週刊現代」の9月17日号と10月8日号の特集記事に対して計1億4300万円の損害賠償を求め追加提訴した。単純計算で、4億6200万円…。

 この損害賠償請求訴訟。今後もまだ追起訴が続いていくのか…ちょっと気になるところではあるが、今日の裁判は、たとえ書かれていることが「事実」であっても名誉毀損を認める判決を下す傾向にある。しかも、損害賠償額も年々高額になっている。今回の裁判は、いずれも高額の損害賠償請求だけに判決も気になるところだ。公判の途中で裁判所の人事もあるだろうから、公判の長期化は避けられそうもない。しかし、今や一般化した「個人情報保護法」なども含めマスコミを取り巻く環境は厳しさが増していることも事実だ。

(渡邉裕二)

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