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ビデオソフト業界が総力挙げキャンペーン、JVA島谷能成会長が陣頭指揮

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ビデオソフト業界が総力挙げキャンペーン、JVA島谷能成会長が陣頭指揮

2016年10月07日

JVA・島谷会長.jpg
日本映像ソフト協会(JVA) 島谷能成会長

 ビデオソフト業界が、再び市場を活性化させるべく、総力を挙げたキャンペーンを開始する。

 国内のビデオソフトメーカー30社が加盟している業界団体「一般社団法人 日本映像ソフト協会」(JVA)の調べによると、ビデオソフト市場はこの10年間、減少傾向が続き、2004年~2005年の最盛期に推定6700億円台だった売上は、2015年に推定4100億円台まで減少している。近年は動画配信サービスにスポットライトが当たり、ビデオソフトの存在感は希薄になるばかりだ。

 そんな状況を打破し、改めてビデオソフトの魅力を広めようと、ソフトメーカーがJVAのもとで結集。関係する全ての業種を巻き込み、大きな波を起こそうとしている。


 キャンペーンの軸となるのは、記念日の制定だ。文化の日にあたる「11月3日」が、日本記念日協会によって、今年から「ビデオの日」に認定された。11月3日の祝日は、多くの人に家でゆっくりとビデオを鑑賞してもらい、魅力を思い出してもらう。12月1日の「映画の日」同様に、広く定着させていきたい考えだ。

「ビデオの」ロゴ.jpg

(C)2016「ビデオの日」実行委員会



 JVAはビデオの日に向けて、様々な施策を打ちだしていく方針。2日前の11月1日には、東京・富士見の神楽座でイベントの開催を予定。アンバサダー(現在選定中)が出席し、ゴジラや貞子などJVA加盟各社によるキャラクターを登場させて盛り上げる企画を検討中だ。JVA理事会のメンバーも全員出席する。

 イベントだけでなく、作品への興味喚起を図るため、日経エンタテインメント編集部が選出する「ビデオで観るべき『100選』」も発表する。この100選は日経エンタの誌面にとどまらず、劇場フリーペーパーや映画情報サイト、ビデオ・映画情報誌で一挙掲載し、映画ファンを中心に認知を拡大させる。

 さらに、映画館内でもDVDを販売するほか、ビデオショップとの連携も図る。秋に開催される「東京国際映画祭」ともコラボレーション上映の企画が決定しており、既存の情報発信先の枠にとらわれない、異例の拡大展開で「ビデオの日」を告知していく。

 このキャンペーンの陣頭指揮をとるのが、島谷能成JVA会長(=写真、東宝代表取締役社長)だ。今年、JVA内に「市場活性化ワーキンググループ」を設置し、自ら座長を務めて今回のキャンペーン施策にあたっている。

 多忙を極める東宝社長の職にありながら、ビデオソフト市場の活性化にも心血を注ぐ会長に、「ビデオの日」制定の経緯や考えを聞いた――。





4100億円もある


――今年2月の理事会で、市場活性化施策について話されたということですが、何かきっかけがあったのでしょうか。

島谷 映画界も年が明けて、2015年の年間結果が出てきた頃です。ビデオソフト業界もJVAから年間売上が発表されますが、毎年それを見て、漸減傾向が続いているなと。しかしながら、バケツの底が抜けたように落ちているわけではない。良かった時は、小売りベースで6000億円を超えていますが、昨年は4100億円ぐらいに落ちました。これを「4100億円まで落ちた」と思うか、「4100億円もある」と考えるのか。私は後者の「4100億円もある」と思ったのです。

 この数字は、私は不思議だと思うのです。テクノロジーが発達して、いまやデジタルの時代になり、動画配信サービスが台頭してきました。アメリカでは動画配信がパッケージビジネスを凌駕しています。普通に考えれば日本もそうなるはずですが、そうなっていない。わざわざパッケージを買わなくても、スマートフォンを持っていれば、画面を3回タッチするだけで映像コンテンツにたどりつけるわけです。では、なぜ4100億円もあるのか。世界で、今もパッケージの腰が強くて市場が成り立っているのは、日本とドイツだけです。「この不思議は何なのだろう」ということを、我々だけで考えるのではなく、ユーザーにもぶつけてみたい。そう思い立ち、JVAの理事会で、出席した各社の代表の方に質問してみると、皆さんもほぼ同じ思いだった。「まだ、日本のパッケージ市場はやりようがある」「まだユーザーの支持は確実にある」と。ここで何かの策を打つことは非常に有効だという意見も何人かの方から出ましたし、その後、色々なお話をする中で、全員がそれに対して賛同してくれました。

 まず、何ができるのかを研究するために、ワーキンググループを作ることになりました。そこから「誰が座長をやるんですか?」という話になり、言いだしっぺの私が担当することになりました。後悔しましたよ(笑)。そして、JVA事務局に相談して、メンバーを集めてもらいました。カテゴリー別に、邦画は東宝とKADOKAWAさん、洋画はディズニーさんとFOXさん、放送系はNHKエンタープライズさんとポニーキャニオンさん、アニメ系はキングレコードさんとバンダイビジュアルさんと決めて、現場の方にお忙しいなか集まって頂き、趣旨を説明すると、ものすごく前向きに集まってくださいました。当初、施策のアイデアに関しては私が8つほど提案し、その中から1つか2つ、実現できるものをスピーディーに進めていこうと思っていました。ところが皆さんにお聞きすると、思いもよらないアイデアがドンドン出てきて、収拾がつかなくなってしまって。その時も後悔しましたよ(笑)。えらいことになったぞと。まだ予算措置もしていない段階でしたので。


続きは、文化通信ジャーナル10月号に掲載。


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