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東京芸大配給「紙風船」予定通り3/26公開

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東京芸大配給「紙風船」予定通り3/26公開

2011年03月22日

 東京芸術大学が配給する商業映画「紙風船」が、3月26日(土)より東京・渋谷のユーロスペースで公開される。直前に東日本大震災が起こり、影響も危惧されたが公開延期などはなく、初日には監督やキャストが舞台挨拶を行う。

 プロデューサーを務めた、同大大学院2年・山下佳奈子さんは「手探りの中で、スタッフや出資企業の皆さんに支えられながら製作に臨みました。自分自身が良いと思ったものが作れるという事のありがたみを感じています。(オムニバスで)4作品ありますが、全く色が異なっているので劇場を後にする時に、それぞれについて意見を交わすのも楽しいと思います。是非劇場でご覧ください」とアピールしている。

 東京芸大は2005年に大学院に映像研究科映画専攻を設置して以来、カリキュラムの一環として、毎年学生たちが中心となって商業映画を製作・配給している。過去には「新訳:今昔物語」(06年)「夕映え少女」(07年)「ラッシュライフ」(09年)「人の砂漠」(10年)を発表してきた。「紙風船」は、今年春に卒業する映画専攻第5期生の作品。黒沢清、北野武両監督をはじめとする教授陣の指導を受け、学生たちが作品の企画開発から脚本制作、資金集め、キャスティング、そして撮影や編集といった実制作に至るまで製作の全工程を手がけ、配給・宣伝も担当している。

 大正から昭和にかけて、劇作家や演出家として活躍した岸田國士の短編戯曲を原作にしたオムニバス作品。原作は約80年も前に書かれたものだが、人間の温かさや寂しさ、愚かさや愛しさが満ち溢れる世界観は今もなお“リアル”。その世界観に現代に生きる学生たちが魅了され、物語の設定を現代に移して映像化した。

 鎌倉・江ノ島を舞台にした全4編。暁原暁監督「あの星はいつ現はれるか」は、江ノ島を舞台に繰り広げられる淡いラブストーリー。眞田康平監督「命を弄ぶ男ふたり」は、世間と対峙する男ふたりの不運なロードムービー。吉川諒監督「秘密の代償」は、セレブな家族が巻き込まれる痛快コメディ。秋野翔一監督「紙風船」は、夫婦が過ごす憂鬱な日曜日の会話劇。仲村トオル、緒川たたまきら各話に豪華キャストが出演している。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。

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