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インタビュー:秋山政徳(株)スカパーJSATホールディングス代表取締役社長

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インタビュー:秋山政徳(株)スカパーJSATホールディングス代表取締役社長

2008年09月05日
量的拡大から質的改革へシフト
  ハイビジョン100ch体制とBS放送進出へ
  今秋スカパー!HD開始、「e2」HD放送を拡充




量的拡大から質的改革へシフト

ハイビジョン100ch体制とBS放送進出へ


 (株)スカパーJSATホールディングスは6月24日、中期経営計画を発表した。

 主なポイントは、(1)「スカイパーフェクTV!」(スカパー!、124/128度)のハイビジョン100チャンネル体制確立、(2)2011年以降の新BS放送に進出し「e2 by スカパー!」加入者の大幅増加、(3)衛星事業領域のさらなる拡大により収益力向上を図る。

 これらにより、「スカパー!」、「e2 by スカパー!」(110度CS放送)、「スカパー!光」3サービス合計の2012年末累計加入件数は430万件を見込み、2015年頃をめどにスカパーサービス全体で600万加入(08年6月末現在370万7千件)を目指す。2012年度グループ連結業績は、営業収益2000億円、経常利益300億円を見込む。

 今年6月27日付で秋山政徳代表取締役会長が代表取締役社長に就任し、新体制を構えた。この10月にはプラットフォーム会社のスカイパーフェクト・コミュニケーションズと、衛星会社のJSAT、宇宙通信、3社を統合しグループを再編する。
メディア間競争がますます激化するのに備え、体制を整備構築しステップアップを目指す同社グループ。新たなステージに向け、秋山政徳社長に今後の展開などについて話を聞いた―。

 本誌 スカパーはこれまでコンテンツアグリゲーターを標榜していました。メディア環境が多様化する中で、新体制となるスカパーの戦略はこれまでとどう違うのでしょうか。

 秋山社長 コンテンツ・アグリゲーションの機能は基本的に変わりませんが、これからは「量的拡大」から「質的改革」を目指します。スカパーは現在テレビ約180チャンネル、音声放送約100チャンネル、合計約300チャンネルを展開しています。12年の歴史がありますが、96年10月の開局時は数十チャンネルでスタートしました。最初の10年近くは徐々にチャンネル数を増やしていったので、視聴者はたくさんのコンテンツに魅力を感じられたと思いますが、後半の数年はチャンネル数も出揃い、テレビで約180チャンネルという数に及び、多チャンネルを楽しむ環境のベースが整った状態で推移しました。量についての理解が概ね得られたと思いますので、今後は、「質的改革」へのシフトが急務となっています。

 しかし、多チャンネルがスカパーの最大の強みであることに変わりはありません。価値観がますます多様化している中で、お年寄りから若い方、それぞれの嗜好に合うジャンルのチャンネルを取り揃えているからです。それと、衛星を使って空から降らしているので、島国である日本のいたるところすべてに一発でコンテンツを届けられる。多チャンネルと衛星、この2つが大きな強みです。

 この強みを持ちながら、今後ハイビジョン(HD)化を一層推進します。HD化には2面あって、技術的に高画質化することと、HDに相応しいコンテンツを充実させることです。HD化はもう当たり前、スタンダードになっているので、まずはここをクリアしていくことが「質的改革」に繋がると考えます。それで「スカパー!」は100チャンネルHD体制を目指します。

 それだけでなく、現在7チャンネルのHD放送を行っている「e2 by スカパー!」もHDチャンネルの拡充を目指します。これは、同じ東経110度にあるBS放送において、2011年以降、新たなBS放送が可能になるので、条件が整えば、ここに進出することで、帯域を確保しHDチャンネル数を拡大しようという構想です。

 「スカパー!光」も「スカパー!」でのHDチャンネル拡充に伴い、増やしていきます。

今秋スカパー!HD開始

 本誌 「スカパー!」100チャンネルHD放送の見通しやスケジュールは。

 秋山社長 昨年末頃、放送事業者の方々にHD放送の意向を調査したところ、約90チャンネルがHD放送をしたいと手を上げました。我々は50チャンネルぐらいと予想していましたが、それをはるかに上回りました。HD化には費用もかかるので財政的に厳しいチャンネルもあるかと思いますが、やはりHD化は必須だろうということで、特にこの1年ぐらいで急にその意識が高まったと思います。

 スケジュール的には、まずこの10月から12チャンネル、来年秋から50チャンネル、合計62チャンネルのHD放送を行う予定です。(株)スカパー・ブロードキャスティング(旧ペイ・パー・ビュー・ジャパン)がHD放送の免許を持つ役務会社となって、各放送事業者から番組(チャンネル)を提供していただき放送します。トラポン費用などはスカパー側が負担し、視聴料をシェアする形をとりますので、各放送事業者はHD放送に参入しやすいビジネスモデルとなります。

 これに合わせて、9月頃からHD放送とSD(標準)放送両対応の受信機をレンタルと販売で提供します。さらに来年秋までにサービスの拡張に応じて高機能な受信機を順次投入する予定のほか、「スカパー!」のHDチューナー内蔵化やデジタル録画への対応など、主要AV機器との連携を強化したいと考えています。



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