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【Vol.55】木更津にシネコン開業、南房総全域から集客を

映画部デスクの「映画興行あれこれ」

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【Vol.55】木更津にシネコン開業、南房総全域から集客を

2014年10月24日
 千葉興行の直営館、USシネマ木更津(千葉県木更津市)が10月18日にグランドオープンした。ソフトオープン(15日)の翌16日、内覧会があり、足を運んだ。

 新劇場は、同日オープンしたイオンモール木更津の2階に入る。規模は10スクリーン、1960席。この10スクリーンのうち2つが、同館の大きな売りとなる。1つが、各地で導入が加速している「4DX」。ここで鑑賞するには、通常料金に1000円を追加する必要がある。24日から新作『ヘラクレス』を上映中。同社は、他の直営館にも4DXの順次導入を進める考えだ。

 もう1つが、同社独自規格のハイスペックシアター「ADMIX」。構成する要素は、壁いっぱいの巨大スクリーン、立体音響のドルビーアトモス、フルハイビジョンの4倍の画素数で映写できる4Kプロジェクター、60コマ/秒の高速映写ができるハイフレームレート。こちらは追加料金ナシで利用できる。

 木更津から一番近い映画館は、TOHOシネマズ市原(市原市)、次に自社のシネマックスちはら台(同)。T・ジョイ蘇我(千葉市)もその周辺にある。臼井社長の話によると、それらの劇場は競合にならないとのこと。いずれの劇場も、木更津から見て北方にあり、木更津の商圏は南方。足元の木更津(2014年住民基本台帳人口:13万2千人)や君津(8万8千人)のほか、富津(4万7千人)、勝浦(1万9千人)、鴨川(3万5千人)、館山(4万9千人)などが商圏になる。この南房総エリアをごっそり取ることができれば、十分に商売になるという算段だ。

 ところで、入居先であるイオンモール木更津の基本商圏は、20km圏、約14万世帯、約38万人。これは数字上、映画館側とおそらく一致する。ただ、モールは少し事情が違うようだ。東京湾アクアラインで行き来できる東京や神奈川からの集客も狙っているとの報道があった。

 イオンモール木更津はイオンレイクタウン(埼玉県越谷市)に次ぐ巨艦店。年間で1200万人の来店を見込む。近くには、三井不動産のアウトレットモールがある。臼井社長の話では、アウトレットには地元以外の客が数多く訪れている。それに比べると、イオンモールはより地元向けで、普段使いできる店。木更津駅前の商業が寂しい中で、地元からの期待が大きいという。

 モール、映画館ともに、その期待を受け止めて、しっかりと売上につながることを望む。




松本 貴則(まつもと・たかのり)  映画部デスク 兼 サイト事業部所属

2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げるが、取材のベースは興行に置いている。2011年から映画部デスク。趣味は空手、サッカー、野球、スポーツ観戦、読書。




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