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【Vol.5】J-WAVE25周年&クラウドファンディング開始

小川記者の「ラジオ・ミックス・ショウ」

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【Vol.5】J-WAVE25周年&クラウドファンディング開始

2013年10月02日

 J-WAVEは10月1日、開局25周年を迎えました。

 J-WAVE斎藤日出夫社長は挨拶し、そのなかで「“Creating the new standard”を実践しよう」と社員に呼びかけました。思えば邦楽を「J-POP」と名づけたのもJ-WAVEが最初でした。いまではJ-POPという言葉は文字通りスタンダードになりました。

 ――“Creating the standard”。これはJ-WAVEが掲げた開局25周年のコミュニケーション・テーマです。そしてJ-WAVEはソーシャル・メディア時代におけるラジオのニュー・スタンダードを目指すべく、開局記念日の10月1日新たなプロジェクトを始めました。それは国内初の放送連動型音楽専門クラウドファンディングサービス「J-CROWD MUSIC」です。

 「J-CROWD MUSIC」は、アーティストとともに音楽プロジェクトを立ち上げてウェブサイトに掲載、オンエアで紹介して、リスナーから出資を募り実現させる新たな取り組みです。プロジェクトデザイナーには音楽プロデューサーの亀田誠治が参加します。

 その「J-CROWD MUSIC」の第1弾企画が10月1日発表されました。それは全米デビューを目指すクリスタル・ケイのプロモーションビデオ制作プロジェクトです。クリスタル・ケイが全米に打って出るときのキーとなるプロモーションビデオ制作に、リスナーは出資という形で応援することができます。

 出資金額は2500円、5000円、3組限定の200万円の3枠で、金額によってクリスタル・ケイから様々なプレゼントがもらえます。まず出資すればもれなくプロモーションビデオのエンドロールに「プロモーションサポーター」としてクレジットされます。加えて、2500円ではNYで制作した未発表曲1曲ダウンロード、5000円ではクリスタル・ケイNY収録映像、サンキューメッセージ映像、そして200万円ではクリスタル・ケイのミニライブ開催権が付きます(要相談)。目標額は500万円ですが、目標に達しなかった場合もプロモーションビデオは制作されます。

 肝心の出資方法ですが、まず「WESYM」(運営会社=㈱ドリーム・フォー)というクラウドファンディングサービスに登録する必要があります。メールアドレスでの登録に加え、Twitter、Facebook、Mixiアカウントを利用したSNSアカウントでの登録、さらにYAHOO!ID、楽天会員のユーザIDでも登録ができます。またJ-WAVE LISTENERS COMMUNITY「J-me」アカウントでの登録が可能です。登録を済ませたら、WESYMの仮想通貨「シード(SEED)」(1円=1シード)を購入することで出資可能となります。

 この支払方法を見た率直な感想として、ファンディング文化、あるいは仮想通貨の概念が、どれくらいの人に浸透しているのだろうかと思いました。まどろっこしいという人も少なからずいそうです。第1弾プロジェクトのクリスタル・ケイにはプロジェクト2日目10月2日19時時点で7万7500シード(円)集まっています。サポーターは18人。これを多いとみるか少ないとみるか。2日目では判断しづらいところがありますが、プロジェクトの認知度が増えれば順調に積み上げていくのではないかと思われます。放送連動も開始し、10月4日(金)24時~28時「TOKYO REAL-EYES」内ではクリスタル・ケイのインタビューを紹介予定です。

 このクラウドファンディングが成功するには、アーティストの魅力はもちろんのこと、企画力も試されるでしょう。そして何よりも、「ファンみんなで応援するんだ」という気持ちが駆り立てられないといけないと思います。そのためにJ-WAVEとアーティストはタッグを組んで発信しなければならないですし、リスナーの感情をシェアできる場づくりも必要になってくるでしょう。可能性は未知数ですが、J-WAVEが新たなスタンダードを目指す1つとして注目していきたいプロジェクトです。

 ちなみに第2弾も企画中で、亀田誠治スペシャルプロジェクトが近日始動予定とのことです。





小川航(おがわ・わたる) 放送部所属

 駆け出しの放送担当記者。このコーナーでは、ラジオと音楽にまつわるトピックスをご紹介。昭和歌謡のヘビーリスナーだが、基本なんでも聴く。最近のお気に入りは、岡村靖幸6年ぶりのシングル『ビバナミダ』(10月2日発売)。



 

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