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必見!3.11同時間帯ドキュメント―TBS15時間特番

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必見!3.11同時間帯ドキュメント―TBS15時間特番

2011年12月22日
 よくぞ企画したと思う――。12月25日(日)に15時間生放送するTBS系列の報道特別番組。未曾有の災害に見舞われた2011年を総括する。タイトルは『報道の日2011 記憶と記録 そして願い』(JNN28局ネット)。朝8時から夜11時までの15時間、4部構成で送る。ほとんど丸1日だ。「東日本大震災」を記憶と記録に残そうという、テレビメディアの報道の使命感とその気概が15時間編成にあらわれ、TBSらしい。

 4部構成の中で、とくに第3部「3.11 映像の記録~あの日、何があったのか~」は必見と思われる。あの日、何があったのか。テレビ史上初の「同時間帯ドキュメント」という手法を用いて一瞬、一瞬の軌跡を描いていくという。放送は午後2時25分頃からの5時間。番組は、あの日地震が発生した午後2時46分と合わせるように送り、その瞬間から数時間、被災地をはじめ、日本各地で何が起きたのか、時系列に整理された映像を見せ、長時間生放送ならではのリアルタイムドキュメント企画として検証する。

 カメラがとらえた最大地震、東日本沿岸を襲った巨大津波、津波到達から1時間-原発の危機、菅総理(当時)の会見、ヘリコプターのカメラがとらえた未曾有の複合災害、福島第一原発で始まったメルトダウン、長い長い夜の始まり、首相官邸では何が?…と追う。

 「正確な記録を後世に伝える“テレビ版・震災記念館”的な役割を果たし、それは同時に地震国に生き、いつ被災者になるかもしれない全ての日本人への貴重な教訓となるはず」としている。

 TBSは震災直後からCS放送「TBSニュースバード」をスカパー!において無料開放、ユーストリーム配信も開始した。また世界初となるユーチューブ上でライブ配信を開始するなど、他局に先駆け、多くの人にこの未曾有の地震の情報を伝えようと瞬発力を発揮、積極的に取り組んだ。そしてTBS・JNNは5月に宮城県気仙沼に「三陸臨時支局」を設立、これも異例のケースで、全国から多くの若い記者が駆けつけ被災地の復興の様子を伝える。こうした系列一丸となった結晶として、今回の15時間生放送特番を実現させている。

 番組は、他に今年1年の国内外の様々なニュース・出来事も伝える(第2部/午前11時25分頃~)。そして夜の第4部「明日へ…」(夜7時25分頃~)。サブタイトルにあるように、希望を見出す内容で送る。幾多の困難を乗り越え、前向きに歩み出した人々を追う。津波の中に飛び込み子供を救った名も無きヒーロー、被災地に動員された10万人の自衛隊の救助ストーリー、原発と闘った男たち…献身的に支えあう日本人の姿、そのドキュメントが送られる。

 クリスマスの25日、15時間すべてを見るのは難しいだろうが、どんな放送になるのか。数ある年末特番の中で、2011年を総括するに相応しい大型企画だ。

(戎 正治)

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