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スカパー!の意気込み「HD移行計画」

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スカパー!の意気込み「HD移行計画」

2011年04月07日
 地上波テレビ放送やWOWOWは今夏までに視聴者のデジタル移行が大きな課題となっているが、スカパー!も移行の課題があるのだ。96年10月より開始している『スカパー!』サービスの加入者のHD放送対応への移行だ。

 地上波もBSも、放送はすべて高画質のHD放送が標準の時代になって、『スカパー!』も乗り遅れるわけにはいかない。そこで2年半前の08年10月より「スカパー!HD」を開始した。最初はHD15チャンネルでスタート、徐々にチャンネル数を増やし、現在88チャンネル(11年2月時)のHD放送を展開する。解約防止と新規拡大も期待でき、将来的にはすべてHD放送にしたいと考えている。だが、今年3月末現在『スカパー!』の総加入者数221万件のうち「スカパー!HD」の加入者は42万件で、思うほどにHD加入者が伸びない。SD加入者のHD加入への移行も進まない。

 しかし、全面的HD化は急務の課題。『スカパー!』においてSD放送(標準放送)とHD放送が混在する現状を打破しなければならない。そこで2015年3月までを期限にHD放送の伝送方式であるH.264方式に1本化する計画案を立てた。既存加入者のHDへの移行を促進するのが主な目的。新たな料金体系や施策を作成し、チャンネル事業者に提案した。しかし条件面などに難色を示すチャンネル事業者との交渉は難航、何度か計画案が練り直された。そして今回、新たな提案によりようやく決着となった(詳細は日刊文化通信速報・放送版4月7日付に掲載)。今後、その計画をもとに作業が進められ、様々な施策が展開されることになる予定だ。

 それにしても、今回スカパーの意気込みを感じた。チャンネル事業者に新提案を説明する事業者連絡会を行ったのは3月15日(火)。東日本大震災が11日(金)発生し、突如の計画停電で首都圏の交通網が大混乱した14日(月)の翌日だ。延期もあり得たと考えられるが、予定どおり進めたのだ。チャンネル事業者の回答期限を3月末頃から4月4日に延ばしたものの、この新提案を通すことに注力した。その提案もスカパーの負担度が増した内容になっている。今年のスカパーの大テーマの一つであり、まずはひと山乗り越えた。

 ちなみに、『スカパー!』(221万件)と『スカパー!e2』(140万件)と『スカパー!光』(10万件)の3サービスを合計したスカパー!サービス総加入者数は372万件にのぼる。10年度で3万7千件伸びた。10年度の新規は58万件、再加入6万件と、ともに過去最高で、そのうち主軸の『スカパー!e2』の新規は過去最高の46万件と好調だ。

 この4月1日に高田真治副社長が社長に就任。年度も変わり、スカパー!は新たなスタートを切った。

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