閲覧中のページ:トップ > 映画ニュース >

奇跡の自主製作『祖谷物語』、蔦監督に聞く

【FREE】奇跡の自主製作『祖谷物語』、蔦監督に聞く

2014年02月05日

 あのスタジオジブリ作品を彷彿とさせるような実写による映像美、アクション女優、ダンサー、演技派俳優という異彩のキャストが脚本に惚れ込んで集結。そして、完全35mmフィルムでの撮影、上映時間169分という自主製作の範囲を超えた “奇跡の自主製作映画” 『祖谷物語―おくのひと―』(企画・制作・配給・宣伝:ニコニコフィルム)が、2月15日(土)より新宿K’s cinemaで公開される。

 前作『夢の島』(09年)も「映画らしさ」を追求したモノクロ16mmフィルムによる作品だったが、このデジタル化の時代に敢えて反旗を翻すかのごとく、日本三大秘境の一つ、徳島県・祖谷を舞台に本作を作り上げた注目の若手、蔦哲一朗監督に製作意図や経緯、大自然の中での撮影の裏話、「映画」=フィルムに対する思いなどについて聞いた。若者たちはなぜ、無謀ともいえる映画製作に挑んだのか―!?


――『祖谷物語』を撮る前の活動についてまず聞きたいのですが、前作が第31回PFFアワード観客賞などを受賞した『夢の島』になるわけですね。東京工芸大学時代にアナクロ映画集団「ニコニコフィルム」を立ち上げ制作したということですが。

蔦監督 大学時代からずっと映画を自主製作としてやっていました。『夢の島』も大学の卒業製作として、自分たちのメンバーで企画して全部作りました。フィルムでやったのですが、現像なども自分たちでやりましたから、作品の内容だけでなく、そんな意気込みのようなものも評価されて、いろいろな映画祭などに出品させてもらいました。そういう評価があったので、今回『祖谷物語』という企画書は出しやすかったというのがありました。

――『夢の島』の後、この『祖谷物語』をずっと撮ろうと考えていたのですか。

蔦監督 僕たちのスタイルは、フィルムでやりたいというのが第一前提で、次は35mm、普通の商業映画で使うフィルムを使いたいとずっと模索していたのです。僕はプラス、人間の本性のようなものを常にテーマにしたかったので、そういったもので何かいい題材はないかと考えた時に、自分の地元の祖谷だったらそういったもの、古き良き日本の原風景のようなものが残っている所なので、そこを舞台に綺麗な風景とそこに暮らす人々のつつましい生活ぶりなどが撮れるのではないかと思って企画しました。それは完全に僕個人発の企画で、みんなに提案して賛同してもらえたという形です。

※全文はインタビューコーナーに掲載。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。