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TSUTAYA六本木、革新的リニューアル

【FREE】TSUTAYA六本木、革新的リニューアル

2013年12月26日

 東京都・六本木の「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」(六本木店)が、10月に大幅なリニューアルを遂げて再オープンした。

 一新したのは、DVDやCDなどの販売・レンタルを行っている2階部分。利便性が重視されてきた従来型のビデオレンタル店とは一線を画し、六本木店は「提案」に重きを置いた店舗へと生まれ変わった。ユニークな視点・切り口で商品を細かく分類、陳列し、知識の豊富なコンシェルジュを常駐させることで、来店した客が、これまで「知らなかった」「興味のなかった」映画や音楽に出会えるよう工夫されている。

 運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、現在蔦屋書店で積極的に導入している「ブック&カフェ」スタイルを六本木店(1階部分)に初めて取り入れるなど、常に同店で試験的な、先を見据えた店づくりを実践している。今回のリニューアルのポイントは、主に「提案型」「居心地の良さ」「人との交流」の3つ。

 まずは「提案型」だ。従来のビデオレンタル店では、利用者が目当てのタイトルを探しやすいように「邦画」「洋画」「アニメ」「韓流」などに分けられ、そこから「アクション」「SF」「ホラー」に細分化、五十音順で並べられている。しかし六本木店のレンタルコーナーでは、五十音順でも邦洋の分類でもなく、「愛」「人生」「時」「男と女」などの斬新な切り口でテーマ分けされている。そして、そこからさらにユニークな切り口で細分化されているのが特徴だ。例えば、「愛」の棚にある「出会わなければよかったの?」コーナーでは、『別離』『ブルーバレンタイン』『悪人』などが並ぶ。「愛」の棚は、ほかに「不倫」「殉愛」「夫婦の関係」などにジャンル分けされ、徹底して六本木店独自の視点で陳列されている。一方、販売用コーナーは、レンタル同様に新しい切り口で商品が置かれているほか、面陳・平積みされている作品が圧倒的に多く、1つ1つのタイトルの個性が生き、「死んでいる作品」が無い印象を受ける。

 続いて「居心地の良さ」だ。2階に上がってすぐ気づくのは、その見通しの良さ。「販売用DVD」の棚は全て140㎝以下のものが使用され、人の動きや外の様子を見渡すことができる。店内の壁、床、柱、棚は木目・レンガ調に統一、照明も抑えめに設定され、リラックスできる雰囲気が漂っている。

 3つ目の「人との交流」は、常駐するコンシェルジュ(案内役)が、積極的に客に声を掛け、作品提案をしている。百貨店同様に、店員と客が交流し、信頼関係を築くことを目指している。

 山下和樹店長は「今はネットでもレンタルできます。そんな中で、リアル店舗の価値を何に見出すのか、を追及した結果が六本木店です」と語る。リニューアルから2ヵ月経ち、利用者からは賛否両論の声が寄せられているそうだが、ビデオレンタル店の新たな可能性を示した画期的な店舗と言えそうだ。

※詳細は、「インタビュー」コーナーで掲載中

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。