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『神様~』を例に「映画業界就職セミナー」

【FREE】『神様~』を例に「映画業界就職セミナー」

2013年10月26日
「映画業界就職セミナー&交流会」開催 「映画業界就職セミナー&交流会」開催

 「東京国際映画祭 学生応援団」主催の映画のミカタ in TIFFCOM「映画業界就職セミナー&交流会」が10月24日(木)、東京・台場のホテル グランパシフィックLE DAIBAで開催された。

 文化通信社特別編集委員の大高宏雄をモデレーターに、『神様のカルテ2』(2014年春公開)の製作スタッフとして東宝から菊地裕介(映像本部宣伝部)、多田行宏(同映画営業部)、澁澤匡哉(同映画企画部)の3氏がゲストとして登壇。「1本の映画ができるまで」、さらには「映画の仕事の魅力」について語った。今回は、就職活動中の学生を中心に限定で200名が招待されたこともあって、まずは3氏が入社の経緯についてそれぞれ述べ、東宝という会社について説明。今年の日本映画のヒット作ランキング(10月現在)で同社配給作品が大半を占めていることをあげ、特に興収117億円を突破した宮崎駿監督のアニメ『風立ちぬ』に言及。今年のランキングには「日本映画の波が反映されている」とした。

 続いて、東宝が配給する映画の企画製作から配給・宣伝、興行、2次利用についての基本を説明した後、自社製作の『神様のカルテ2』を例に、企画成立の経緯、宣伝のコンセプト、ビジュアル、コピー、ポイント、そして営業(公開規模)展開など各業務について具体的な話が語られた。大高からは「製作委員会について」、「ジャニーズ系俳優の出演作がなぜ多いのか?」といった指摘がなされ、学生たちは熱心にメモを取りながら聞き入っていた。

 その後、質疑応答の時間が設けられ、「企画力を今からどう鍛えておけばいいのか?」、「原作権は先にどれくらいの数を押さえているのか?」、「ポスターやチラシのデザイン力は身に付けておいた方がいいのか?」といった質問に3氏が真摯に答え、最後に東宝の魅力、映画を仕事にする誇りと喜び、そして若い人たちには映画業界に是非入って来て欲しいと学生たちにアピールした。大高は、「冒頭に、今日の話を聞いて “逆転の発想” を持って就活して欲しいと言ったが、何かヒントになるものがあったと思う」と締め括り、セミナー終了後には交流会も実施され、登壇者と直接話ができる貴重な機会となった。

 なお、大高が「日刊文化通信」(映画版)で連載中のコラム「映画業界最前線」(08年4月~12年12月)を単行本化した「映画業界最前線物語~君はこれでも映画をめざすのか~」(愛育社刊)が、今月下旬に発売(税抜1800円)される。また、同書出版連動企画として、「文化通信映画業界セミナー」の開催を11月下旬に予定。映画界のキーパーソンを招き、映画業界を目指す人のためのセミナーとなる。詳細は近日発表予定。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。