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東宝、市川南取締役に今後の取り組み聞く

【FREE】東宝、市川南取締役に今後の取り組み聞く

2013年02月06日

 東宝は、2012年1月~12月の年間興行成績が741億円を記録し、9年連続で500億円を突破、同社歴代第2位(歴代最高記録は10年の748億円)となる驚異的な成績(700億円超えは3回目)を収めた。この強さの秘訣はいったいどこにあるのか? 13年も盤石のラインナップを揃えた同社取締役 映像本部映画調整担当兼映画企画担当兼映画調整部長の市川南氏に昨年を振り返りつつ、今年のラインナップ、今後の取り組みなどについて聞いた―。


―まずは2012年を振り返っていただきたいと思います。

市川取締役 年間興収741億円ということで、歴代で第2位の成績。1位の2010年の748億円に次ぐということで、極めていい年でした。一言でいいますと、 “フジテレビ・イヤー” というような年で、フジテレビさんの作品だけで3割強の興収を稼いでくださいましたから、この柱が大きくありましたね。

 私どもとしてはアニメーションの柱も充実していました。『おおかみこどもの雨と雪』が42億2000万円までいきましたので、次の時代を担うアニメーション作家の細田守監督の新作を東宝で預かることができ、それを大ヒットに結びつけられたというのは、とにかく大きかったです。あとは『ドラえもん』が、声優さんが替わった新シリーズになっての最高興収なのでこれもありがたいですし、『名探偵コナン』、『ポケモン』、『NARUTO』、『クレヨンしんちゃん』も含めて非常にハイレベルで、シリーズもののアニメも堅調だったということが二つ目でしょうか。

 三つ目はフジテレビさんを含めてテレビ局さんの映画作りです。秋のTBSさんの『のぼうの城』、あるいは『SPEC~天~』、日本テレビさんは『おおかみこどもの雨と雪』、『ALWAYS 三丁目の夕日,64』、『ホタルノヒカリ』、『怪物くん』や『妖怪人間ベム』も好調でした。連続ドラマ発のものが相変わらず好調だったのに加え、『のぼうの城』、『ALWAYS~』、『ツナグ』という連ドラ発以外のものも、きちんと稼いでくださいました。

 それと最後は自社製作作品ですね。『あなたへ』が23億9000万円、『悪の教典』が23億4000万円、『僕等がいた』はアスミック・エースさんとの共同製作ですけれど、「前編」「後編」合わせると42億4000円、『宇宙兄弟』が15億7000万円という具合に良かったです。自社製作作品を合計すると、120~130億円です。興収で100億円を超えたのは3回目で、『世界の中心で、愛をさけぶ』があった2004年、『告白』『悪人』があった2010年以来ですから、自社製作というのも柱と呼べるかどうかわかりませんが、以前よりは堂々と語れるようになったかなという気がします。そんな作品が合わせて34本あったのですが、例年のごとくファミリーものから、若者向け、シニアまで向いているもの、いろいろなジャンル、広い世代に向けた作品を揃えてヒットさせられたということで、極めていい年だったと思います。(つづく)

※全文はインタビューコーナーに掲載。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。