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『22年目の告白』入江監督らが脚本作り語る

【FREE】『22年目の告白』入江監督らが脚本作り語る

2017年09月08日
入江監督(左)と平田の両氏 入江監督(左)と平田の両氏

 ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント発売『22年目の告白‐私が殺人犯です‐』のデジタル配信を記念して6日、監督の入江悠、脚本の平田研也によるティーチイン試写会が同社神谷町試写室で行われた。

 クオリティの高さが口コミで広がり、興収約24億円の大ヒットになった同作。入江監督は「SNSを見ていると、熱い感想が多い。今回は脚本にグッと来ている」と、平田と共同で手掛けた脚本が高い評価を受けていることに笑顔を見せ、企画の発足当初から携わっている平田は「元ネタとなった韓国映画の『殺人の告白』はアクション寄りだが、なるべく現実に則したものとしてリメイクしたいと(いうオファーをもらった)。あと、1つの問題として(『殺人の告白』は時効制度が物語の重要な要素だが)、日本では時効制度は撤廃されている。そのハードルをどう越えられるか。この2点」と、リメイク版の脚本作りに際し課題となったポイントを挙げた。また、平田はプロットを含めると脚本作りに「4年かかった。1つの作品にこれだけ長く関わるのは初めて」といかに時間をかけて練り上げてきたかを語った。特に時間のかかった作業として、入江監督は「真犯人像の作り込みと時効の問題、これが2本立てできつかった。日本の法律や犯罪心理学について、色々な大学の教授のところにいって取材した」と説明した。

 司会からは、面白い脚本に必要な要素とは?という質問が挙がり、平田は「画面に映されている外側にも世界があることを感じられる脚本になっているべきだと思う。氷山は水の上に見えている部分は一部だが、下にこれだけものがある、というものであってほしいと思う。取材はまさにそれ。100調べて10しか書かないとか」と持論を述べ、入江監督は「CGの赤羽(智史)さんが、(95年から現代への移り変わりを描くために)森タワーが建てられていく過程をCGで描く際、何となく作るのではなく、ちゃんと設計図を仕入れて、どう建てられたかを調べたと解説されていた。それも脚本と近い」と、脚本に限らず、目に見えない部分の情報が充実していることが映画作りには重要であることを窺わせた。6日デジタル配信開始、ブルーレイ&DVDは10月4日(水)発売。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。