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東映『孤狼の血』製作発表会見に白石監督ら

【FREE】東映『孤狼の血』製作発表会見に白石監督ら

2017年04月04日
『孤狼の血』製作発表会見、左端が原作者・柚木氏、右端が白石和彌監督 『孤狼の血』製作発表会見、左端が原作者・柚木氏、右端が白石和彌監督

 東映配給『孤狼の血』の製作発表会見が3日、港区のグランドハイアット東京で実施された。メガホンをとる白石和彌監督、同名原作小説(KADOKAWA刊)を手掛けた柚月裕子氏が冒頭挨拶を行った。

 2015年に刊行された原作小説は、直木三十五賞候補、吉川英治文学新人賞候補、日本推理作家協会賞を受賞。東映の「仁義なき戦い」シリーズの大ファンである柚月氏が、広島県呉市をモデルにした呉原市を舞台に警察VS暴力団の抗争を書きあげた “警察小説×『仁義なき戦い』” 。映画化にあたり柚月氏は、「2つ驚いたことがあった。1つ目は、活字でなければ成り立たないミステリー要素について。2つ目は、表現の面でいかに映画化されるのか。とても楽しみ」と映画化への期待を語った。

 撮影は4月中旬に入る。ロケは広島県呉市が9割、残り1割が広島市等。

 警察あるいは暴力団という組織にいながらも、誇りを賭けて生々しく生きる男たちを映しだす凶暴、迫力、狂気のエンターテイメント。原作小説について白石監督は、「(暴対法以前の)昭和63年の時代設定、男たちが情念をぶつけ合う熱き物語に感銘を受けた」とコメント。さらに、「『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』を撮ってきた。かつて深作欣二監督や東映さんが手掛けてきた様な熱き男たちの物話は、今なかなか作ることができない。一方で、韓国ノワールが全盛期に差し掛かり、海外では盛んに作られている事実を横目に寂しさもある。いよいよ、今一番作りたいと思える作品に巡り会えた。一つ一つの表現に対し、変にコンプライアンスを気にしたり自主規制をかけない様、やれることは逃げずに全てやる」と力強く話した。

 製作発表会見当日は第1弾キャスト発表も行い、役所広司、松坂桃李、真木よう子、石橋蓮司、江口洋介が登壇(田口トモロヲ、滝藤賢一も出演)。

 主人公・大上を演じる役所は、「(大上は)捜査のためなら悪魔にも魂を売る警官」と役を説明し、「このテイストの映画は東映さんが作るべきもの。白石監督と初めてお会いした時、日本映画には元気のあるものが少ないことを話した。脚本を読むと、柚月先生が描いたハードボイルドな世界に、白石監督特有の世界観が足されていたが、さらにアウトローな作品になると思う。警察も暴力団も真剣に生きるが、人間臭いユーモアも含まれている。大上なりの正義をどれだけ映せるのかが楽しみ」と意気込みを語った。

 発表されたキャスト陣を目の前にして、柚月氏は、「圧巻の一言。脚本を拝読しているが、どんな映画になるのか想像も付かない。すごい映画になると確信した」と感無量の様子。白石監督は、「一刻も早く、広島の呉に乗り込んで皆で大暴れしたい」と制作への強い意欲を示した。18年春公開。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。