閲覧中のページ:トップ > 映画ニュース >

『俳優 亀岡拓次』"安田顕はキートンの様"

【FREE】『俳優 亀岡拓次』"安田顕はキートンの様"

2015年11月03日
『俳優 亀岡拓次』横浜聡子監督 『俳優 亀岡拓次』横浜聡子監督

 第28回東京国際映画祭アジアの未来部門では『俳優 亀岡拓次』を10月30日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで上映。上映後、監督・脚本を手掛けた横浜聡子によるトークショーが行われた。

 原作は戌井昭人著の短編集「俳優・亀岡拓次」(フォイル刊)。横浜監督にとって『ウルトラミラクルラブストーリー』以来、6年ぶりの長編映画。脇役俳優・亀岡拓次(安田顕)の不器用で愛すべき恋と人生を描いた奇想天外エンタテインメント。亀岡拓次が恋をするヒロイン役には麻生久美子が抜擢され、その他山﨑努、三田佳子、新井浩文、染谷将太らが脇を固める。

 「アジアの未来部門」は13年度からスタートしたセクション。毎年日本映画からは1作品選出される。今年度は同作が上映の機会を得た。司会から「『ウルトラミラクル~』では松山ケンイチさん、本作では安田さん、ユニークで個性的な役者を配役されていることが興味深い」と感想を受け、横浜監督は「(安田さんに関しては)個性的な役をされる方だが、何を考えているのか分からないという怖さがある。ある種の闇を感じ、惹かれた。ある時期から、亀岡拓次と安田さんをリンクさせながら脚本を書くようになった。彼が決定的に他の役者さんと違うところは、失礼な言い方かもしれないが、芸のあるところ。出演されていた舞台を見たが、バスター・キートンのような動きで、喜劇役者らしさを強く感じた。それを本作でもとり入れた」と返答。さらに、「6年という月日が流れていく間、オリジナルで映画を撮ることがそんなに簡単じゃなくなっていく映画界で、自分のオリジナルの脚本を書いたりもした。本作とは別に、原作モノの話もあった。だが、撮影までなかなかこぎつけられなかった。実質、本作が初めての原作モノ。今までやってきた映画づくりとは全く違う姿勢が必要だった。これからも原作、オリジナルにこだわらない映画づくりをしていきたい」と今後の展望を話した。

 日活配給のもと、1月30日よりテアトル新宿ほか全国ロードショーされる。製作委員会は日活、アミューズ、GYAO、ローソンHMVエンタテイメント、クリエイティブオフィスキュー、北海道テレビ放送。企画は日活、アミューズ映像製作部。制作プロダクションはジャンゴフィルム。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。