2014年度日本映画監督協会新人賞受賞作品『ぼんとリンちゃん』(配給:フルモテルモ+コピアポア・フィルム)が第28回東京国際映画祭内で29日、TOHOシネマズ新宿で上映された。上映後、監督を務めた小林啓一と同協会で選考員を務めた大森立嗣監督が登場しシンポジウムを行った。
79年の歴史を誇る同協会。監督が監督を選ぶという選考方法が大きな特徴。新人賞は60年から始まり現在まで継続、第1回は大島渚監督が受賞している。
大森監督は「はじめはとっつきにくい作品だなと思った。しかし映画が進むにつれて、そのとっつきにくさがなくなり、気にならなくなった。このことに加えて、難しいことにチャレンジしている作品だなと思った。特にホテルのシーンが素晴らしい。認めてあげたいという気持ちが強くなり、推した」と審査を振りかえった。小林監督は「同賞を受賞してからは周りの信頼度がグッと上がった。お金で買えない素晴らしいものを頂いた」と受賞前後の変化について触れ、「この賞を頂いたということは、これからは新人ではないという心構えでいる。今現在では新作を2本抱えている。1本は京都を舞台にした男の子の話。もう1本は親父の話。前者はすでに4分の1ほど撮影し、来年にもう一度現場に入る。後者は来年8月後半頃にクランクイン予定」と今後の展開を話した。