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『の・ような~』“森田監督の遺産ふんだん”

【FREE】『の・ような~』“森田監督の遺産ふんだん”

2015年10月31日
『の・ようなもの の ようなもの』左から伊藤、北川、松山、杉山監督 『の・ようなもの の ようなもの』左から伊藤、北川、松山、杉山監督

 松竹配給『の・ようなもの の ようなもの』(公開日:1月16日)のワールドプレミア上映が第28回東京国際映画祭パノラマ部門内で、29日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。上映前には杉山泰一監督、出演の松山ケンイチ、北川景子、伊藤克信による舞台挨拶が実施された。

 若手落語家の青春を描いた故森田監督のデビュー作『の・ようなもの』の35年ぶりの続編。生真面目な落語家・志ん田(松山)が落語を捨てて気楽に生きる兄弟子・志ん魚(伊藤)と出会い、悩みながらも自分らしく生きる楽しさを知っていくというストーリー。同作は杉山監督のデビュー作品でもある。杉山監督は81年に『の・ようなもの』で故森田監督と出会って以降、『僕達急行 A列車で行こう』まで16本の森田監督作品に助監督として携わってきた人物。それぞれのコメントは次の通り。

杉山監督 4年前に森田監督は他界した。本作を恩返しの様な想いで制作した。とは言っても、堅苦しい作品ではない。お話を頂いた時、「森田作品のファンを裏切ることになるのでは」といった懸念があった。しかし、森田監督ならこういう時、何を言うのだろうと考えると、彼は黒澤明監督のリメイクをやるような人だったので、自分のリメイクくらい「やっちゃえ、やっちゃえ」と言いそうな気がした。そう思えると、森田監督の遺産=役者をふんだんに使い、逆に、居直って撮ってやろうという心持ちになれた。

松山ケンイチ(『僕達急行 A列車で行こう』出演) どこかでこの衣装見たことあるなと思ったら、『僕達急行~』のものだった。現場に入ると、僕だけではなかった。皆が(森田組で演じてきた)色んな役を引きずっていた。「なるほど、『の・ようなもの』へのオマージュというか、ラブレターというか、こういう形もありだな」と思った。

北川景子(『間宮兄弟』出演)10年前の衣装が用意されていた。森田組流のシャレだなと思った。『間宮兄弟』で演じた夕美がずっと生きているという設定で、成長していたらきっとこうなっているだろうなと想像しながら演じた。久しぶりに演じることに不安もあったが、現場に入るとすんなり演じることができ、不思議に思えた。

伊藤克信(『の・ようなもの』出演) 35年経ち、続編ができ、同じ役をやるということはなかなかないことだ。続編が撮れたのも、森田組の役者陣が長生きできたおかげ。同窓会のような撮影現場だった。悪い人が全く出てこない映画。観た後には「もうちょっと元気に生きてみようかな」と思えるはず。

 なお、企画協力はニューズ・コーポレイション、制作プロダクションはFILM、製作委員会は松竹、アスミック・エース、KADOKAWA、ぴあ。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。