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ジブリ、太鼓の達人とのコラボ短アニメ制作

【FREE】ジブリ、太鼓の達人とのコラボ短アニメ制作

2015年06月27日
「『太鼓の達人』シリーズ15周年記念事業概要発表会」(左から鈴木敏夫氏、鵜之澤伸氏) 「『太鼓の達人』シリーズ15周年記念事業概要発表会」(左から鈴木敏夫氏、鵜之澤伸氏)

 バンダイナムコは、和太鼓ゲームシリーズ「太鼓の達人」が16年2月に15周年を迎えるに際して、「15周年記念事業概要発表会」を25日にバンダイナムコ本社で行った。その中で、スタジオジブリが同ゲームとのコラボショートアニメーションを制作したことが公表された。

 登壇者は、鈴木敏夫スタジオジブリ代表取締役プロデューサー、鵜之澤伸バンダイナムコホールディングス執行役員ら。ハッピ姿で登場した鈴木氏は、「鵜之澤さんとのくされ縁から、本企画を行った。鵜之澤さんは、81年にこの業界に入った。当時の僕は、徳間書店の編集者だった。35年の付き合いだ。でも、毎日顔を合わせていたわけでもないし、果たして本当にお世話になっていたのかなとも思っている(笑)」と、ジョークを交えながら馴れ初めを語り、「今回の話の前に、『太鼓の達人』にトトロの曲を使いたいという申し出があった。方々からそういった依頼があったが、音楽に関しては、全てお断りしていた。ところがこの顔(鵜之澤氏を指しながら)で言われたら、色々思い出してしまった。その一件以来再び関係が続いた。で、今回、15周年にあたって、映像を作るに至った。こういった仕事は本当に初めてのことだ」と続け、詳しく語った。

 鵜之澤氏は、「ジブリはゲームが嫌いという話は有名(笑)。普通に頼みに行くと、門前払いになる。だが、私を門前払いにするということはないだろうと思い、サンプル資料を持って鈴木さんの所に伺った。確かに、くされ縁があったから実現した企画」と補足説明。それに対して鈴木氏は、「ジブリはゲームが嫌いだとよく言われているけれど、正確に言うと、あまり良く分かってないだけ。そっちの方が大きい(笑)」と返した。その後も両人のコメントの節々にはジョークが混ぜられ、報道陣や関係者から終始、笑いが漏れていた。

 ジブリ制作のショートアニメは、一匹のネズミが太鼓のリズムに合わせて、飛んだり跳ねたりするもの。徐々にお祭り気分が高まっていく様子からは、同ゲームの持つ明るさ、楽しさが伝わってきた。同ゲームの雰囲気とジブリの世界観とが見事にマッチしているように感じられた。また、作画には筆を使用し、独特のタッチで描かれていた。同ショートアニメのプロデューサーを務めた鈴木氏は、「『魔女の宅急便』『崖の上のポニョ』などの作画監督を担った近藤勝也が構成・作画を手掛けた。中々、腕に覚えのあるやつだ。彼は自分の娘を想いながら描いたという」と作品について話すと、鵜之澤氏は、「通常、こういった仕事はジブリに頼めない。出来栄えに大満足だ」と言葉通りの表情を浮かべながらコメントした。

 同映像は、同ゲームシリーズ公式サイトをはじめ、7月9日に発売の「太鼓の達人 Vバージョン」、業務用ゲーム、スマフォ向けアプリに収録、テレビCMでも放映される。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。