閲覧中のページ:トップ > 映画ニュース >

松竹『天空の蜂』、完成報告会見に堤監督ら

【FREE】松竹『天空の蜂』、完成報告会見に堤監督ら

2015年06月23日
『天空の蜂』(左から堤監督、仲間、江口、本木、綾野) 『天空の蜂』(左から堤監督、仲間、江口、本木、綾野)

 松竹企画/配給『天空の蜂』の完成報告会見が、22日に中央区・時事通信ホールで実施された。『天空の蜂』初の公式会見である当日は、堤幸彦監督、江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛が登壇した。

 同作は、東野圭吾が95年に発表した同名小説(講談社文庫)を、堤監督が映画化したもの。最新鋭にして日本最大の超巨大ヘリコプター「ビッグB」を乗っ取り、原子力発電所「新陽」の真上に静止させるという原発テロと、危機に立ち向かう人々のドラマが描かれる。江口は、ビッグBの設計士・湯原、本木は、新陽の設計士・三島、仲間は、三島の恋人・赤嶺、綾野は、ビッグBを盗んだ謎の男・雑賀を演じる。

 東野氏の手紙によると、執筆当時である20年前、そのスケールやテーマ性から映画化は、絶対に不可能だと考えていたという。撮影期間は、3カ月。当初、ビッグBは、実機での撮影が考えられていた。その後、試行錯誤を重ね、格納庫部分は、東宝スタジオにセットを建設することに、外観は、CGで再現することに決定した。CGカットは、堤監督作品を手掛けてきたエヌ・デザインが担当。細部までこだわり抜き、作業時間は1年間に及んだ。CGカットは約1000カットに達したという。映画化が実現された今、登壇者全員が、原作の土台の強さ、それを脚本化した楠野一郎氏についてコメントしていたことが印象的だった。

 会見では、報道陣、関係者に向けて、本編冒頭13分が上映された。13分間では、ビッグBが新陽の上に静止する事件発生までが描かれていた。短い時間の中で描かれる無駄のない巧みなドラマ展開に、会場中が飲み込まれていたように感じた。上映終了後、ゲストが登場し、それぞれコメントした。堤監督と江口洋介は、次の通り語った。

堤監督 様々なテーマが含まれている作品。テロ、原発、親子問題など。どれをとって考えてみても、日本で映画にすべき題材であると思いながら作った。音と音楽については、非常に力点を置いた。ビッグBのモーター音を作った特殊音響チームや、リチャード・プリン氏(音楽担当)などに支えられた。映画で起きることが、良いか悪いかではなく、自分ならどう考えるか、どの立場だろうかと、ひとりひとりに考えてみてほしい。

江口洋介 台本の前に原作を読んだ。3・11を経験しているうえで、描かれている恐怖をリアルに感じた。良い悪いではなく、人が何かを考えるためには、沈黙してはいけないんだなという熱いメッセージを感じた。本木くんの台詞には、まさに蜂に刺されるような言葉が多く含まれている。

 制作プロダクションは、オフィスクレッシェンド。製作委員会は、松竹、木下グループ、講談社、ローソンHMVエンタテイメント、GYAO。9月12日(土)より全国ロードショー。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。